私的ミステリ通信    (第2回)

 仁木 めぐみ(越智めぐみ)

ホー ムズとワトソンの原型

  突然ですが、ホームズとワトソン、どちらがお好きですか? コナン・ドイルのあまりにも有名な名探偵、シャーロック・ホームズは芸術家肌で 推理の天才、でもちょっと偏屈で孤高の人。みかけはきゃしゃで色白で眼光が鋭く、意外に優しい一面や武術の達人振りを時々かいま見せてくれる少し謎めいた 男性です。そしてその友人で伝記作者、助手的な役割もつとめるジョン・H・ワトソンは、常識的で人懐こい性格。開業医ですが、軍医としてアフガニスタンに 渡り、敵と渡りあって負傷したという勇ましい過去も持っています。ホームズの天才を尊敬し、同時にその危うさを心配しながら見守っている、友情にあつい優 しい男性です。

 後のミステリの方向性を決定づけたこのゴールデン・コンビには、いずれ劣らぬ魅力があり、どちらが欠けても作品の魅力が半減してしまうと思います(その 証拠に『シャーロック・ホームズの事件簿』の中のワトソンが登場せずホームズが語り手となっている短編「獅子の鬣〔たてがみ〕」はいつもの精彩を欠いてい る気がします)。長編『四つの署名』『バスカーヴィル家の犬』では、本筋の事件の謎への興味とあわせてワトソンの冒険やロマンスが彩りを添え、長い物語の 最後まで読者を引っ張っていく引力になっています。

 この二人の組み合わせがいかに不滅であるかはみなさんもよくご存知のことでしょう。ホームズが誕生してから100年以上経つ現在、ホームズの国イギリス からみたら東洋の異国である日本のミステリ界でさえ、あたりまえのように事件を解決する探偵のことを「ホームズ役」、その助手のような立場にあたたる(語 り手であることが多い)人物を「ワトソン役」と呼んでいるぐらいですから。

 私事で恐縮ですが、冒頭の問い、実は私は(少数派なのかもしれませんが)「ワトソン派」です。女性として見ると、ミステリアスな天才ホームズにももちろ ん魅力はあるのですが、優しくて意外に男らしいワトソンの方によりひかれる気がします。ワトソンが後の妻、メアリーに出会って恋に落ち、結婚することにな る『四つの署名』を初めて読んだ時には、二人の恋の行方にドキドキしたものです。

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 前置きが長くなってしまいましたが、今回はホームズよりも一世紀以上前の18世紀のイギリスに、ホームズとワトソンの原型のような二人組がいた、という お話です。コナン・ドイルは、自分の恩師ベル博士をモデルにシャーロック・ホームズ像を創り上げたという話は有名ですが、ホームズとワトソンのコンビネー ションにはもう一つ別のお手本がありました。偉大な孤高の天才といつも行動をともにする忠実な伝記作者という組み合わせは、文豪サミュエル・ジョンソン と、その伝記『サミュエル・ジョンソン伝』を書いたジェームズ・ボズウェルの二人にそっくりなのです。

 まず、サミュエル・ジョンソンとはどんな人物かということをご説明しましょう。史上初の体系的な英語辞典『英語辞典』をたった一人で執筆したことが有名 ですが、他にシェークスピアの全作品の注釈、ポープやドライデンなどのイギリス古典詩人の列伝である『詩人伝』など、イギリス文学史に燦然とかがやく業績 を数多く持つ偉人です。

『英語辞典』にはユニークな定義も多いのですが、自らを皮肉ったユーモラスな例をひとつご紹介しましょう。

lexicographer (辞書編纂者):
A writer of dictionaries; a harmless drudge, that busies himself in tracing the original, and detailing the signification of words.
辞書を書く人。語源をさぐり、細かく語意を定義するなどせっせと骨折り仕事をする何の害もない人物。

 また、談話の達人でもあり、When a man is tired of London, he is tired of life;(ロンドンに飽きたものは人生に飽きたのだ)など、いまだに引用され続けている言葉をたくさん残しています。

 そして、この発言のほとんどは彼を崇拝し、可能な限りジョンソンと行動を共にし、その発言を毎日日記に書き留めていた文学好きの弁護士ジェームズ・ボズ ウェルが、ジョンソンの死後発表した『サミュエル・ジョンソン伝』という伝記の中で紹介したものです。

『ジョンソン伝』にジョンソンの毎日の行動がこと細かに報告されているおかげで、ジョンソンは歴史上でもまれなほど、その性格や素顔が詳しく知られている 人物なのです。大柄で食欲旺盛、大声で話し、寸鉄人を刺す皮肉を得意とする豪快な人物ですが、一人暮らしが長く、寂しがり屋で動物や弱い人々に優しく、繊 細な性格の持ち主でもありました。またうつ病に悩まされていたなど、ホームズを思わせる面もあります。

 一方、ジョンソンのことを語る中で自然と浮かび上がってくるボズウェル自身の性格は、単純で見栄っ張り、女好きで、少し常軌を逸するほどの記録 魔・・・・・・といったところでしょうか。こちらはワトソンほど魅力的な人物ではないかもしれません。

 イギリス文学史上では「ジョンソンの時代」(Age of Johonson)と呼ばれることもある18世紀は、同時に「理性の時代」(Age of Reasons)でもあり、科学への意識がめばえはじめた時代でした。知的探究心が強く理性的な心を持っていたジョンソンは、さまざまな不思議な事柄(た とえば心霊現象など)に興味を持ち、なんとか科学的な説明ができないかと頭をひねることもありました。こう書くと、ホームズが19世紀後半の最先端の科学 に興味を持ち、フラスコから煙が出るような実験をしていたのを思い出しませんか?

 ボズウェルの『ジョンソン伝』は英米人にはおなじみの本で、英語にはBoswellize、つまり“ボズウェルする”という動詞があるくらいです。意味 は誰かの横にくっついていて、その発言を逐一書きとめるということです。まさに「伝記作者」、つまり「ワトソン役」ですね。ドイルはホームズものの最初の 短編「ボヘミアの醜聞」(『シャーロック・ホームズの冒険』に収録)の中でホームズに、「伝記作者がそばにいてくれないと、張りあいがないからね」(延原 謙訳)と言わせていますが、この原文はI’m lost without my Boswellですから、ドイルの頭の中でワトソンは「ボズウェル役」であると位置づけられていたと言えます。

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 そしてこの二人を主人公にした歴史ミステリが今回ご紹介するリリアン・デ・ラ・トーレの探偵 サム・ジョンソン・シリーズです。

 歴史上の人物を探偵役にすえたミステリといえば、現在活躍している作家のものでも、バーティー殿下ことエドワード七世が主人公のピーター・ラヴゼイの 「殿下シリーズ」(『殿下と七つの死体』『殿下とパリの美女』〔ともに中村保男訳、ハヤカワミステリ文庫〕など)、若き日のルーズヴェルト大統領が事件を 解決するウィリアム・L・デアンドリアの『ピンク・エンジェル』(真鍋義博訳、ハヤカワミステリ文庫)を始めとして多数あります。1940年代にスタート したサム・ジョンソン・シリーズは、今ではすっかり定着しているこの形式のミステリの元祖だと言われているのです。

 リリアン・デ・ラ・トーレ(1902〜1994)はコロンビア大学などで18世紀、19世紀の歴史を専攻してきた女性で、小説を書き始めたのは40歳を 過ぎてからだそうです。そして18世紀イギリス文学の専門家である夫とのある会話の中で「サム・ジョンソン・シリーズ」の着想を得たといいます。どんな会 話だったのか、85年に出た三冊目の短編集The Return of Dr. Sam: Johnson, Detectorの序文を引用してみましょう。

「名探偵なんて、くだらん!」と夫は鼻を鳴らしました。「もったいぶった好事家や、可 愛い花嫁や、気取った中国人や、ご立派な老婦人か・・・・次は、そうだな、警察犬なんかどうだ!」
「警察犬の話ならもうあるわ」と私は認めました。「確かに、うすっぺらな探偵の小説は薄っぺらだわ。でも多面的でしっかりとした人間性を備えた探偵がいた ら、たとえば、えーと、あのボズウェルの伝記の中のサム・ジョンソン博士みたいな・・・・・・」

 この最後の言葉を口に出したとたんに、デ・ラ・トーレは、ジョンソンがミステリの探偵役にぴったりだということに気づきます。架空の探偵たちの誰にも負 けないほど個性的で多才で人間的で、好奇心に富み、不屈の勇気と鋭い知性を持ち、科学的にも関心を持っている・・・・しかももともとジョンソンには本物の 元祖伝記作者、これ以上ないほど立派な「ワトソン役」までついているじゃないの!、と。

 こうしてこれ以上ないほどぴったりの「ホームズ役」と「ワトソン役」を発見したデ・ラ・トーレは、その豊富な知識を活用し、猥雑で活気に満ちた18世紀 ロンドンを舞台に、ジョンソンとボズウェルが数々の謎を解決する痛快なミステリを書いたのです。

 デ・ラ・トーレはサム・ジョンソン・シリーズのほかに『消えたエリザベス』(平井呈一訳、東京創元社世界推理小説全集65)やHeir of Douglas(1952)などの長編も書いていますが、このサム・ジョンソン・シリーズも含めて、彼女の著作はみな、歴史上実際にあった事件をもとに想 像をふくらませ、ディテールや解決を創作したものになっています。

 サム・ジョンソン・シリーズは短編ばかり32篇で、4冊にまとめられています(Dr. Sam: Johnson, Detector〔1946〕The Detection of Dr. Sam: Johnson〔1960〕The Return of Dr. Sam: Johnson, Detector〔1985〕The Exploits of Dr. Sam: Johnson, Detector〔1987〕)。最初の作品を書き上げたデ・ラ・トーレは原稿を「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」誌に送り、それがエラ リー・クイーンの片割れフレデリック・ダネイの目にとまって世に出る運びとなりました。ダネイは探偵サム・ジョンソンをとても気に入り、もっと書くように デ・ラ・トーレをうながし続けていたそうです。

 それぞれの短編には必ず作者のライナー・ノートとでもいうような解説が添えられています。これはボズウェルの文体を真似た本文とは雰囲気が違い、読みや すく親しみやすい文体で、作品の元となった事件のことや歴史的背景などをわかりやすく説明してあり、私は読後のちょっとしたおまけとして楽しんでいまし た。

 日本では残念ながらサム・ジョンソン・シリーズの本は一冊の形では出ていませんが、アンソロジーの中や、雑誌などでは何篇か紹介されています。本物そっ くりの蝋人形の作り方を書いた不気味な雰囲気の「蝋人形の死体」(深町眞理子訳、『クイーンの定員V』〔光文社文庫〕に収録)、ダイアモンドの盗難と暗号 の謎を解明する「盗まれたクリスマス・プレゼント」(吉田誠一訳、『暗号ミステリ傑作選』〔創元推理文庫〕に収録)、発見されたばかりのシェイクスピアの 未発表原稿が盗まれる「消えたシェイクスピア原稿の謎」(森愼一訳、「ミステリマガジン」81年6月号に掲載)などを始めとして、12篇の短編が邦訳され ています。上に挙げた「蝋人形の死体」と「盗まれたクリスマス・プレゼント」、他に「重婚夫人」(佐宗鈴夫訳、『クイーンズ・コレクション2』〔ハヤカワ ミステリ文庫〕収録)は現在簡単に入手できまので、ご一読をおすすめします。

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 サム・ジョンソン・シリーズの魅力は何といってもジョンソン博士とボズウェルのキャラクターの楽しさです。頭脳明晰で、ユーモアと正義を愛するジョンソ ンの人となりが、おとぼけボズウェルとのやりとりの中でいきいきと再現されています。またボズウェルが語り手であるという設定なので、文体も本家『ジョン ソン伝』に似せてあります。さらに時々、『ジョンソン伝』から実際の場面を借りてきて、物語の中にさしはさむこともあります。

 たとえばThe Return of Dr. Sam: Johnson, Detectorに収録されているMurder Lock’d Inという短編では、ジョンソンとボズウェルの初対面の場面が描かれているのですが、これはほぼそっくり『ジョンソン伝』そのままです。高名な文豪ジョン ソンにようやく出会える喜びと緊張で堅くなっていたボズウェルが、憧れの偉人に皮肉を言われ、うれしいようながっかりするような、複雑な心境になるユーモ ラスな場面です。

 この短編では18世紀に実際に起こった密室殺人事件の謎が「解明」されています。作者のノートによると、1773年に行われた実際の裁判では、法廷にド アを持ち込み、密室トリックを実演してみせたようです。ジョンソンとボズウェルが、あの黄金期の密室ミステリの古典、ディクスン・カーの『三つの棺』(三 田村裕訳、ハヤカワミステリ文庫)さながらに密室談義を繰り広げる場面もあります。デ・ラ・トーレはカーが大好きで、カーの『エドマンド・ゴドフリー卿殺 害事件』(岡照雄訳、国書刊行会)を読んで、ミステリを書き始めたぐらいですから、もちろん十分『三つの棺』を意識していたのでしょう。ミステリ・ファン にとっては「おいしい」短編です。

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 第一短編集Dr. Sam: Johnson, Detectorの中のFlying Highwaymanは、一本道から忽然と姿を消してしまう“空飛ぶ追いはぎ”の謎を解くミステリですが、これもまたミステリ・ファンを喜ばせてくれる作 品です。なぜかというと、この作品にはジョンソン、ボズウェルのほかに、盲目の判事サー・ジョン・フィールディングというゲストが登場するからです。

 このジョン・フィールディングという人は、ジョンソンと同時代のロンドンに実在した人物で、あの『トム・ジョーンズ』を書いたヘンリー・フィールディン グの弟です。ジョン・フィールディングは早逝したヘンリーから引き継いだ、スコットランド・ヤードの前身となる警察組織“ボウ街の捕り手”(Bow Street Runners)を指揮していました。その明晰な頭脳で数々の名裁きをし、ロンドンの悪党どもを震えあがらせていた名判事なのです。

 そして(ミステリ・ファンにとってはここからが大事なところなのですが)、このジョン・フィールディングはブルース・アリグザンダーが現在次々と発表し ているミステリ、ジョン・フィールディング・シリーズの中で探偵役でもあります。94年に始まったこのシリーズ、原書のほうはもう第9作まで進んでいて、 今年の10月には第10作目が出るようです。邦訳は『グッド・ホープ邸の殺人』『グラブ街の殺人』(ともに近藤麻里子訳、ハヤカワポケットミステリ)の二 冊で、原書の持つクラシカルな雰囲気を伝えながらも読みやすい訳文です。次の翻訳が待たれるところです。

 アリグザンダーはある作家のペン・ネームであることしかプロフィールが明かされていない覆面作家です。名前は「ブルース」ですが、私は漠然と女性なので はないかと思っています。真相はどうなのでしょうか?

 ジョン・フィールディング・シリーズはロンドン近郊のリッチフィールド(ジョンソンの故郷でもあります)出身の天涯孤独の少年ジェレミーの筆によって語 られるミステリで、18世紀ロンドンの庶民の暮らしを生き生きと伝え、毎回スリルと謎解きを十分に楽しませてくれます。判事との心温まるエピソードもあ り、ジェレミー少年の成長の物語として読むこともできるシリーズです。

 さらに、このジョン・フィールディング・シリーズにはなんと、ジョンソンとボズウェルが揃ってゲスト出演しているのです。

 デ・ラ・トーレとアリグザンダーという、二人のミステリ作家が約50年の時をはさんで書いたそれぞれのミステリでそろって共演している18世紀の三人の 人物たちの、微妙なキャラクターの違いを読み比べてみるのも一興でしょう。基本的には二人の作家の意見は一致しているようで、デ・ラ・トーレの Flying Highwaymanではゲストのフィールディング判事はかっこいいところを見せ、ジョンソンも頭脳の冴えを発揮していますし、アリグザンダーの方でも、 フィールディング判事が縦横無尽の活躍をしているのはもちろんですが、ゲストのジョンソンもまた分別のある賢人として描かれ(少しとっつきづらいというイ メージはありますが)、重要な役どころを果たしています。

 ただ、かわいそうなのはボズウェルです。デ・ラ・トーレの方では早とちりで、いつも女性に色目をつかってばかりいる(しかしなかなかモテモテでもある) ものの、憎めない人物です。しかしゲスト出演したアリグザンダーの作品の中では、フィールディング判事には「・・・・・・うぬぼれの強い道楽者だよ。自分 では弁護士と言っているがな。やつはジョンソンの下に足繁く通い、いまでは小判鮫さながらに貼りついている。・・・・・・」(『グッドホープ邸の殺人』) と言われてしまうし、語り手のジェレミー少年にまですっかり嫌われていて、「めかしこんだうぬぼれ屋? それはまったくそのとおりだが、加えるに、小賢し い口達者とも言えるだろう」(『グッドホープ邸の殺人』)と書かれてしまい、散々な扱いです。

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 サム・ジョンソン・シリーズに話を戻すと、短編集には収録されていない「大博士と猫」(宮脇孝雄訳、「EQ」92年1月号掲載)は短いながらも微笑まし いお話です。最後の短編集The Exploits of Dr. Sam: Johnson, Detectorが出た89年以降に書かれたらしい、デ・ラ・トーレ晩年の作品ですが、この作品の中ではジョンソン博士が飼っていた実在の猫、ホッジが活 躍します。ここでもまた『ジョンソン伝』のエピソードがうまく使われています。ジョンソンがホッジの前で、以前飼っていた別の猫のことをほめてしまってか らあわてて取り繕うように「でも(ホッジは)とてもいい猫だよ、本当に」という有名な場面が折り込まれているのです(余談ですが、ロンドンにあるジョンソ ンの博物館では、このジョンソンの台詞とホッジの絵がプリントされたしおりを売っていました)。冒頭でジョンソン大博士の手から生牡蠣を食べていたホッジ は、見事に令嬢の誘拐事件の解決に寄与し、最後の場面では隣家の判事から生牡蠣をもらっています。そしてボズウェルはこんな看板を掲げます。

「ジョンスンとホッジ よろず探偵引き受けます
J・ボズウェル その用心棒」

 そう、探偵として頭を使うのはあくまでもジョンソンとホッジで、ボズウェルは「その用心棒」なのです。この看板はもちろんデ・ラ・トーレの創作で、実在 のボズウェルが掲げていたわけではないのですが、猫に負けているのに、麗々しくそれを看板に書くというのは、いかにもボズウェルがやりそうなことかもしれ ません。

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 ドイルが創造した探偵ホームズも、デ・ラ・トーレのミステリの中のジョンソンも、ロンドンの街で縦横無尽に活躍しています。19世紀末と18世紀という 時代の違いはありますが、ホームズとワトソン、そしてジョンソンとボズウェルは、どちらもロンドンの雑踏と活気を愛し、そしてそこに巣食う悪と戦った、ロ ンドンという類まれな(ミステリ・ファンにとってはとてもとても特別な)都市が生んだ不滅のコンビなのです。

 新しい訳書から筆名を仁木めぐみに変更いたしました。第三回以降もよろしくお願いいたします。

 リリアン・デ・ラ・トーレの作品リストを翻訳通信のサイトに掲載しました。URLは以下の通 りです。
http://homepage3.nifty.com/hon-yaku/tsushin/my/dt/torre.html